歴史を考証する中で生まれてくる「愛の物語」は素晴らしい!!!

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 愛を読むひと】・・・・原作:[朗読者](The Reader)は強烈な「余韻」が残る作品だった。

      私は「朗読」は苦手ではないが・・・・・・

 

 予期せぬ感動が、突然大波のように押し寄せてくる体験をしたのは久しぶりの感覚である。私はよくDVDをレンタルしてくる。突然34ヶ月全く観なくなることもあるが、暫くすれば、また借り始める。1年間に300作品以上観賞した年もあったくらい、DVD観賞は私の趣味でもあるが・・・なかなか「感動作」にめぐり合うことは少ない。「感動作」と言っても、本当に様々なジャンルの映画が製作されているので、「めちゃ面白かった」「本当に心から感動した」「めちゃ怖かった!」・・・など「めちゃ」「超~」「ほんまに」など前置詞を伴う表現がついてくると間違いなく「感動作」と評価している。私の作成している「観賞DVD評価一覧」ファイルは、今まで観賞したDVDに対する[評論]と[ランク付け]がされている。「超A級作品」はここ10年間で40作品程度しかない。

 

 「愛を読むひと」に以前から特別な関心があったわけではないし、キャメロンディアス主演の「バッドティーチャー」と[アニー]とをレンタルした中の1本だった。観終わってから2008年のアカデミー賞の5部門にノミネートされ、主演の「ケイト・ウィンスレット」がアカデミー主演女優賞を受賞していることを知って、なるほどなあ・・・この演技は尋常じゃないよなあ・・・ストーリーとしても、とても展開が興味深く、単純な恋愛ストーリーではなく・・・・「人間の生き様」が描かれている。こんなに感動の余韻が残る作品に出会えて、とても切なくて息苦しい変な気持ちも未だに続いている。

 

 原作はドイツの作家「ベルンハルト・シュリンク」の「朗読者」という作品で、原作はドイツ語だし、この映画はアメリカ・ドイツの合作映画でドイツの町が舞台になっているのに、話される言葉は英語だし、朗読される本は全て「英語」になっている。でも、全く違和感が無かった。ベルンハルト・シュリンクはドイツの小説家で法学者でもあり、現在もフンボルト大学ベルリンで教鞭を執っている人物であるが、ドイツの過去の犯罪的行為・ホロコーストの研究者でもあり、その視点は「独自」でインパクトがある。推理小説でも有名だが、「愛を読むひと」はシュリンク自身の少年時代を題材としていると語っている。

 

 先入観って怖い!この表題から病に倒れた女性のために、男性が様々な想い出を文章として語るんだろうなあと思っていたが、「愛を読むひと」はそれとは全く異なっていた。私なりの「あらすじ」を表現すると、15歳前後の少年時代というのは「多感」である。異性に対してもとても興味があるし、セクシュアルな体験は人間形成にも大きな影響力がある。ある日、敬虔な家族の一員である15歳のマイケルは街中で「猩紅熱」で嘔吐し、座り込んでしまう。そこに母親とみ間違えられてしまいそうな年配の女性ハンナ・シュミットに介抱される。3ヵ月後、花束を持って御礼に行くが、そこで着替えているハンナの姿を覗き見してしまう。二人は恋に落ち、ハンナはマイケルに「朗読したあとにメイクラブをしましょう」と提案。数多くの本を朗読してもらって、ハンナは喜ぶ。ところが、ハンナには人に言えない暗い過去があった。ある日突然、ハンナはマイケルの目の前から忽然と消えてしまう。

 

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 数年後、マイケルは大学に進み、「弁護士」を目指し、ナチスの戦犯裁判を傍聴する。その被告席に自分が愛した「ハンナ・シュミット」が座っていた。ハンナは生きるために仕事として強制収容所の「看守」に応募したこと、次々と囚人が運ばれてくるので、致し方なく「死の行進」への選別をしていたこと・・・・など看守としての役割を果たしただけと主張するが、孤立無援の状況になっていく。裁判の進行状況でハンナの「筆跡鑑定」が裁判長より指示された時、彼女は全ての罪を認めてしまう。・・・・・何故か、その背景にはどのようなことがあったのか・・・・・・[illiteracy]・・・・・

 

 この裁判で彼女への判決は「無期懲役」という悲しい結果だった。ここから、刑務所という壁を隔てて、マイケルとハンナの題名どおりの「交流」がはじまる。20年という刑期を経て、彼女は【?】と「自尊心」を回復していく。出所の際の身元引受人としてマイケルは刑務所に面会に行き【ハンナ】と何十年ぶりかで出会う。きっと彼女は感じたに違いない。何を?・・・・・何かを・・・・・

 

それは皆さんに感じて欲しい。・・・・・・・二人の結末は・・・とても寂しくて悲しいが・・・・・・監督のスティーブン・ダルドリーは「心の救い」を一番最後に映像として残してくれている。

 

この映画はいろんなことを考えさせられた。ドイツの戦後の不況の時代、身寄りも無い、学歴も無い女性にとって、人生を生き続けることは「生易しい」ことではない。そんな女性が【純粋な少年との愛】に恵まれて・・・でも、必ず自分が不幸に巻き込んでしまうことを恐れて、何も語ることなく立ち去っていく。・・・・大人の女性の少年への「思いやりのある愛」が感じ取れた。でも、彼女の過去の人生において、自分が生き抜くために選んだことが「断罪される」という不条理な世界に引きずり出されていく。彼女の心中を女優「ケイト・ウィンスレット」がものの見事に演じている。映画「タイタニック」の時の上流階級の娘ローズから受けた印象とは全く異なる。「ケイト・ウィンスレット」という女優に改めて目覚めさせてもらった。彼女の映画出演遍歴は尋常ではない。アカデミー賞にも6回もノミネートされている。様々な賞も受賞している。彼女が出演を快諾したということはきっと素晴らしい作品に違いないと思わせてくれた・・・・「愛を読むひと」は彼女の思想性・価値観・人間観が見事に表出していたように感じられた。今後、暫く、彼女の出演作品を中心に観ていきたいと思っている。

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The Holocaust(大量虐殺)や「民族の血を劣化させる存在」はこの世から根絶すべきという思想の元に創設された「T4作戦」や「絶滅収容所」に関しては、この映画の余韻とは異なる質のものなので、ここで詳しく語ることは控えておきたい。でも、ヒットラーの幼少時の写真や、アルゼンチンまで逃亡生活をしていたのにイスラエルの情報組織モサドにより逮捕され、1962年に絞首刑にて処刑されたアイヒマンも純粋な幼児期があった。「人道に対する罪」を人間はどうして身につけるようになったのか?・・・・・・

 

「愛を読むひと」のもうひとつの大きなテーマは「愛を読む」まさに「朗読」英語では「reading」もしくは「recitation」という。吉永小百合は広島で【平和】を祈念する「朗読会」をしている。私は小学校時代はそんなにスラスラ漢字が読めなかったので、朗読はそれほど得意ではなかったように思う。中学時代は比較的国語は好きな科目だったし、「漢字」を覚えることがまあ普通にできていた。高校時代から浪人時代にかけて、女優の「加藤治子」「宇野重吉」はガンで亡くなった若き医師の遺作「まだ見ぬ子、飛鳥へ」の朗読が素晴らしく、高看時代にクラスメート全員に聴いてもらったことがあった。そして「朗読のお手本」といわれていたNHKの女性アナウンサーの加賀美幸子の朗読は秀逸で、話の中にのめり込んでいったことを今でも身体が覚えているし、心に残っている。「朗読」の人に訴える・響かせる・感じさせるパワーのあることを、その頃から感じていた。だから「朗読者」=「愛を読むひと」という公式は、私の心に大いに響いてきていた。もうひとり、【日本むかしばなし】の市原悦子は心に良く響いてきていた。

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帰宅して家内に好きな朗読者を尋ねると3人の人物の名前が挙がった。「加賀美幸子」は共通していた。「広瀬修子」は初耳だった。【江守徹】は家内の実父が勤務していたことのある宇和島市戸島が舞台になっていた「一条兼定」の登場する「かげろうの館」という作品を朗読していたので印象に残っていると話す。

 

私は今まで、人前で【朗読】する機会は無かったが、家内の前で【朗読】の真似事をしはじめると、もう本題に入る前からえづいたり、耳を塞いだりする・・・・・ほんまに、失礼な奴じゃ!!

 

それじゃ、「愛を読めないじゃないか!」

 

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by taira710 | 2014-02-27 20:27 | 人生をいかに生きるか! | Comments(0)
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人生は旅、仕事も遊びも旅さえも旅気分で楽しもう!!


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